 

【後編】「逃げない」と言った社長と、実際に破産を申し立てた人たちのギャップとは?
2025年5月、ミュゼプラチナムを運営していたMPH株式会社が、元従業員などの債権者から東京地裁に破産を申し立てられました。
その後、会社の社長は「逃げずに責任を果たす」とYouTube動画で話しましたが、実際には債権者が法的に会社の資産を守ろうとして破産手続きを選んでいます。
今回はその背景と、医療機関との違い、そして信頼回復に必要なことを解説します。

社長は「責任を果たす」と語りましたが、債権者たちはその言葉を信用せず、裁判所の力を借りる選択をしました。
これは、「言葉ではなく、実行で判断する」という明確な姿勢の表れです。
中には、資産だけを他の会社に移し、元の会社に借金だけを残す企業の再編スキームもあり、それに対する不信感も背景にあると考えられます。

企業がトラブル時にYouTubeで説明すること自体は悪くありません。
しかし、給与未払いなどの問題が残ったまま動画で発信しても、「印象操作」と受け止められることがあります。
まずは現実の問題に対応することが優先されるべきで、動画などの発信はその後の説明責任の一部として行うのが信頼を得るポイントです。

医療脱毛は法律上「医療行為」であり、診療を行う医師個人が責任を持ちます。
そのため、患者に対して説明義務や安全管理が厳しく求められます。
一方、サロン型の脱毛では、法人名を変えたり、別会社に切り替えたりしてしまうことで、トラブルが起きた時に「誰に責任を取ってもらえるのか」が不明確になりやすいのです。

今回のようなケースから学べることは、「安さ」や「知名度」だけで選ばず、きちんと最後まで責任を持って対応してくれるかを見極めることの重要性です。
契約相手がどの会社なのか、責任の所在が明確なのかも確認する必要があります。

信頼を回復するには、まず給与や返金などの経済的な問題に誠実に対応することが第一です。
そして、嘘やごまかしのない情報を発信し続けることが重要です。
ただ「逃げない」と言うだけでは、人の心には響きません。

私たち医療機関も、経営と信頼のバランスを常に意識しています。
どんなに良いサービスでも、責任を持つ姿勢や透明な説明がなければ、本当の信頼は得られません。
今回の事例を通じて、美容医療の現場でも信頼と安心を重視した運営を続けていきたいと考えています。
さらに詳しい内容ついてはnoteでご紹介しています。ぜひこちらからご覧ください!

2001年に日本医科大学を卒業後、2008年には同大学院の疼痛制御麻酔科学を修了。2010年に渋谷三丁目クリニックを開設し、現在も現役の心臓麻酔科医として心臓手術を担当しています。麻酔科専門医としての豊富な経験と、高度な医療技術を駆使した治療を提供し、患者様の安全を第一に考えた医療を提供しています。

                        美容医療の進化とともに、多くの人々が自分の理想の美しさを追求する時代。医療脱毛はその中心にありながら、「痛み」という大きな課題を抱えています。本書は、痛みを克服し、安全かつ快適に脱毛を実現する新たな選択肢として、全身麻酔の可能性を詳しく解説します。
                        著者は、1万件以上の麻酔経験を持つ麻酔科専門医であり、患者一人ひとりの安全を最優先にした治療を追求してきました。全身麻酔脱毛の効果、具体的な施術プロセス、安全性、さらには実際の症例まで、あらゆる視点からその魅力を伝えます。