全身麻酔脱毛で使う麻酔薬ってどんなもの?プロポフォール・フェンタニルなど主要薬剤の特徴と安全性を医師が解説

医療コラム


全身麻酔で脱毛をするとき
「どんな薬を使うの?」「安全なの?」
と不安に思う方も少なくありません。
そこで本記事では、実際に当院で使用している主要な麻酔薬について、医師の視点からわかりやすく解説します。
それぞれの薬剤の特徴や役割、安全性について理解していただければ、全身麻酔脱毛への不安も軽減されるはずです。

プロポフォール

白く濁った静脈麻酔薬で、即効性があり、目覚めも早く副作用が少ないため、日帰りの全身麻酔脱毛に非常に適しています。
血圧低下や呼吸抑制に注意が必要ですが、麻酔科医の管理下では極めて安全に使用できます。

ペンタゾシン

非麻薬性の鎮痛薬であり、中程度の痛みを和らげるために使われます。
全身麻酔脱毛では第一選択の鎮痛薬です。

フェンタニル

強力な鎮痛作用をもつ医療用麻薬で、少量でしっかりとした鎮痛効果を得られます。
手術でも日常的に使われる薬剤であり、呼吸抑制には注意が必要ですが、正しい用量とモニタリングで安全に使用されます。
ペンタゾシンでは鎮痛効果が不十分な方に使用されます。

レミフェンタニル

フェンタニルよりもさらに作用時間が短く、点滴を止めると数分で効果が切れるのが特徴。
術中の細やかな痛みのコントロールが可能で、麻酔後に痛みを残さないため、日帰り施術に適しています。

レミマゾラム

2020年に承認された短時間型ベンゾジアゼピン系麻酔薬で、速効性がありながら回復も早く、日帰り麻酔に適しています。
血圧や呼吸への影響が少なく、安全性の高い選択肢とされています。
当院でも今後導入を検討しています。

セボフルラン

吸入麻酔薬で、ガスとして投与するタイプ。
匂いがやや独特ですが、点滴を取らずに入眠できるため、点滴挿入時の痛みを避けたい方の麻酔導入時に使用することがほとんどです。
点滴挿入後はプロポフォールなどの静脈麻酔に切り替えますが、静脈麻酔だけでは脱毛時の無意識の体動などが抑えきれない場合は一時的に併用することもあります。

笑気(亜酸化窒素)

軽度の鎮静・鎮痛作用を持つ吸入麻酔で、恐怖心や不安感を和らげるのに有効です。
深い麻酔には向きませんが、表面麻酔や静脈麻酔と組み合わせて使うことで、快適な処置が可能になります。
当院の全身麻酔脱毛ではプロポフォールと併用するプロポフォール+笑気がスタンダートです。

なぜ複数の薬を組み合わせるのか?

全身麻酔では「意識消失」「鎮痛」「筋弛緩・反射抑制」といった複数の要素が必要です。
1つの薬だけではそれらすべてを安全に達成することは難しいため、それぞれの作用を持つ薬剤を組み合わせて使います。
これにより、患者さんの状態に応じた柔軟な麻酔管理が可能になり、副作用のリスクを最小限に抑えることができます。

渋谷三丁目クリニックの麻酔管理体制

当院では麻酔はすべて麻酔科医が担当しています。
酸素、SpO₂、心電図、血圧、呼吸数、二酸化炭素濃度などをリアルタイムで常時モニタリングし、緊急時にも即時対応できる体制を整えています。
安全性と快適性を両立した全身麻酔脱毛をご提供いたします。

まとめ

全身麻酔脱毛に使用される麻酔薬は、どれも医療現場で長年使用されている信頼性の高い薬剤です。
麻酔薬の正しい知識をもつことは、脱毛への不安を減らし、安心して施術を受けるための第一歩になります。
渋谷三丁目クリニックでは、経験豊富な麻酔科医が厳格な安全管理のもと施術を担当しますので、どうぞ安心してご相談ください。

この記事は当院の医師が監修しています。


気になる症状やご相談があれば、お気軽にご相談ください。
竹森 健 医師(麻酔科専門医)
渋谷三丁目クリニック 院長
日本麻酔科学会認定 麻酔科専門医
1万件を超える麻酔管理経験をもとに、安全で快適な医療脱毛を提供しています。

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